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 今回はナガランドの民族衣装展を企画しました。昨年末のミャンマーの展示を経て国境を接するインド辺境地域に暮らす部族の緻密で研ぎ澄まされた織物に魅了され興味をもちました。この地域の古いものは蒐集の機会がかぎられていましたがこの度貴重なナガランドの染織布と装飾品をまとめてすぺーすくじらのコレクションに迎えることが叶い、今回の企画展を開催することができました。ご高覧いただければ幸いです。2021年3月1日よりネットギャラリーにて公開いたします

 ナガランドの民族衣装展 

GALLERY 

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   ナガランドの染織品や装飾品は1990年代にエスノグラフィーミュージアムやエスニックな商品としてヨーロッパやアメリカで注目され、私もよく知らないまま濃い藍染に子安貝のショールを目にしたのが始まりでした。1994年にジュネーブで開催された国連の先住民会議にアイヌ代表のお手伝いで何日か出かけた折にナガランドからの代表に偶然お会いして、そのショール姿に魅せられたのはもちろんでした。そこで彼らがインドからの独立をずっと主張しているということを知らされました。

 1997年インドへ行った折にアッサムからナガランドに入ったのでした。ナガの人々は顔も表情も体つきも日本人に良く似ていて、兄か弟、姉妹と感じられました。お米や納豆を食べるナガ人、かつては首狩りを是とするところですがナガでは部族同士の衝突戦争はなかったといいます。肝試しだったのか(未成年には禁止許されたのは26才以上の成年男子)人の黒髪を飾りにしたかったとも記されています。ナガランドにはコットン栽培があって織物に充分の供給があったといいます。やがて近代の物資の流入で日本と同様に自然素材がおしやられて、1970年以降はケミカル素材にとってかわられました。イラクサの織物はブータン、ネパール、また北海道のアイヌにも見られます。イラクサはそういう高地に住む人々のまさに自然素材なのだと知らされました。世界各地の織物、染物、刺繍を見ると、いわゆる文字を持たない人々の作り出すものに、すごく時間かかったであろう緻密な仕事とか、ピグミー族のタパ布の上に描かれた一筆描きのような模様とか、それらが共通してわたしには心地よい音楽の様にも、またそれらの一織り、一刺しが彼らの言語だったのではと感じるのです。とくにナガの織りものは渾身のパワーそのものを感じますね。  

佐々木紀子さん談

伝統衣装の染織技法

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 木綿布に絣を模倣した紋様黒糸を1本1本針で縫い進め玉結びしている。用途、支族不明

53×107(4枚パネル)

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ナガ族のブランケット、経は綿糸、緯はイラクサの繊維を輪奈(パイル)織にして重厚さがある。98×182(3枚パネル)表面

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 ディマプールの女性から譲り受けた布で、多分アオ族のショール、102×170(4枚パネル)つぎめ・裾に細紐で巻き縫いした装飾が特徴的

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 ナガ族ブランケットの裏面、綿糸の縦縞模様が見られる。

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 アンガミ族の木綿ショール、85×154(4枚パネル)とやや小ぶりで非常に細い糸で8ヶ所の片面縫い取り織がほどこされている。8ヶ所の模様はすべて異なる

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 アンガミ族の木綿ショール、85×154(4枚パネル)とやや小ぶりで非常に細い糸で8ヶ所の片面縫い取り織がほどこされている。8ヶ所の模様はすべて異なる

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 アオ族のショール4ヶ所のカットビロード織模様、浮紋織で部族の槍握り部分に共通の装飾模様が見られる108×176(3枚パネル)表面

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 アオ族のショール4ヶ所のカットビロード織模様、浮紋織で部族の槍握り部分に共通の装飾模様が見られる108×176(3枚パネル)うら面

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アンガミナガ族の腰衣、手紡ぎの細手の木綿糸を腰機で緻密な経地合で織あげた7cm弱の片面縫取織の帯を接ぎ合わせている。71×102(3枚パネル)表面

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アンガミナガ族の腰衣の裏面

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アオ族あるいはチャング族の男性、首狩りのシンボルのショール、藍染、手織、3枚パネルに子安貝の刺繍、赤毛糸織模様、106×141(3枚パネル)表面

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アオ族のショール、アクリル手織り3枚パネルの真ん中にナガのシンボル的動物と楯や槍の刺繍、刺繍は妻や娘赤毛糸織模様、106×141(3枚パネル)表面

 

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