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龍模様の染織展

 2024年初めのすぺーすくじらギャラリーは今年の干支にちなみ龍の模様の染織品を展示いたしました。中国をはじめとして日本、インドネシアの衣装や背負い帯の龍の表現をお楽しみいただければ幸いです。

 2024年1月15日よりネットギャラリーにて公開 

GALLERY 

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 千葉市美術館で開催された「太陽と精霊の布」展で瀧澤久仁子さんのコレクションを拝観したのは2004年の暑い夏のことでした。アジアの少数民族衣装の素晴らしさに感動して、私もこのような衣装を一枚でも手に入れたいと願ったことを昨日のことのように思い出します。その後まもなく太陽紋様のあるトン族の祭礼衣装を手に入れたのは京都旅行中の事でした。バスを待つ背後の骨董店での出会いでした。以来20年、縁あって収集することができたアジア各地の多数の民族衣装から今回は多様な龍の表現を見つけ出すことができてうれしくおもっています。アジアの農耕民族にとって龍は雨風を司る水の恵みの神として五穀豊穣をもたらす吉祥の表現でした。これらの衣装を飾り安寧な年になりますことを心よりお祈り申し上げます。

​龍模様のデザインと技法

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男物襦袢に型染めされた猛々しい龍模様、三爪の手には宝珠を握っています。日本では龍の指が室町時代から三本に定まったと説明を受けましたが定かではありません。

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​ミャオ族の多色糸で緻密に刺繍された龍模様は近年に信玄袋にリホームされたものです。オリジナルはどのような衣装?や背負い帯?だったものか興味深く思っています。 

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​最近手に入れたトン族の龍文様の布片はどのように使われたものか詳細不明です。銀(錫)線で縁取られた抽象度のたかい龍紋には護符の役割があったのかもしれません。 

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​スマトラ島ランプン地方の結婚衣装タピス。華麗な金糸の刺繍が衣装の全面に施されています。とりわけ花嫁の幸運を祈る吉祥紋の龍がきわだったものです。

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​ 古い日本の帯に丸紋で型染めされた龍です。縁起の良い宝物模様があしらわれ儀礼用の振袖とともに使用されたと思われます。

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​貴州省のミャオ族(施洞)前掛けは祝祭の盛装時に身に着けるものと購入時に教えてもらいました。卓越した全面刺繍で獅子(顔)と龍(胴体)が混交した精霊のモチーフが施されています。

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​初期に手に入れたミャオ族(トン族)の背負い帯の頭部分です。今回この布の中心部のモチーフがようやく龍紋だと確信できました。 

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スンバ島ムロロの古いヒンギコンブ、大胆で大柄な龍文だけでなくタイトな括りの絣で龍文様が表現されていました。

 

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